2009年11月 3日 (火)

ポッジボンシ

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 仕事仲間との打ち合わせに、トスカーナ州のポッジボンシという町に訪ねました。

有名な塔の街サンジミニャーノやシエナの近くにあるこの小さな町は、近隣にあまりにも有名な観光地があることから隠れてしまっている感があります。

それでも、そこは歴史ある地域の街ですので、コンパクトながらも街並みの雰囲気はいつものトスカーナの味を出しています。

この町は、葡萄の収穫時期(すでに先日終わってしまっていましたが)に、町の7つの町内対抗で、足によって葡萄の搾汁量を競う祭りがあるのだそうです。シエナで有名な競馬の競技と同じように、パリオと呼ばれています。

私たちの仕事は地味ですが、それでも頻繁にイタリア中の小さな町を訪れる機会に恵まれているのはとても幸せなことです。

かなり古いですが、昔日本の番組で、兼高かおるの「世界の旅」というのがありました。日曜の朝型、父親とこの番組を見るのがとても好きだったことを思い出します。

そして今、その番組ほど世界中を渡り歩くわけではありませんが、これだけの頻度で都度違う町を訪ねる仕事になったのは、ひょっとするとその番組で刷り込まれた小さなころのサブリミナル効果?でもあるのでしょうか。

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2009年10月29日 (木)

アクイテルメの夜

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 昨年夏まで暮らしていた、同じピエモンテ州内のアクイテルメの街には時折出かけることがあります。

長男の友達づきあいも続いていますし、田舎暮らしを始めたこの小さな町とは縁が切りづらいようです。

夏はドイツやフランスからの観光客で多少は賑わうものの、温泉が唯一の観光資源と言えるような産業のない田舎町ですので、冬になると未だ夕方だというのに街の目抜き通りはひっそり、平日だとしてもこの閑散たる有様は寂しい限りです。

街の反映を心配はするものの、それでも街をそぞろ歩けば、その人気のなさも味の一つかなと思えたりもします。唯一数人の街の住人と遭遇したのは中心地の温泉湧き場ですが、古の昔からこんこんと湧き続ける温泉の湯気を立ち止り眺めているのも悪くありません。同時に、自分たちが遠い異国から移り住み、イタリアのこんな人気のない街にいることの実感も改めてこみ上げてきます。

ポリタンクに温泉を汲んで持ち帰る初老の男性がいました。飲用でしょうか?お風呂にでも入れるのでしょうか?今度私たちも持ち帰って自宅のバスタブで入浴してみようかな。

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2009年10月24日 (土)

サマータイムの終わり

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 今年は10月24日から25日に日付が変わった後に、サマータイムが終わり、1時間ほど時間調整がありました。

毎年春と秋の恒例行事で、家の中や車、腕時計など、時計という時計は変更しなくてはなりません。この時間調整の日が来ると、一気に夕暮れが早くなります。

土曜日でしたが、今朝も早くから仕事で出かけると、朝やけは早くなったものの、気温の低さがその色で分かります。

帰宅途中の街路樹も、もうすぐ葉がすべて落ちてしまうなぁと物思いにふけていると、何故かふと、今晩の夕食は子どもたちの好きな焼き肉を思い立ちます。

日本のような焼き肉用の部位や切り身が売っているわけではありませんし、家の中にあるものでの急ごしらえの材料ですが、寒暖差でキッチンの窓に曇りがでると、なにやらほんわかしたりします。

夜は暖炉で薪を焚いて、春までの夜の長い冬の始まりを実感してみます。

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2009年10月18日 (日)

スキー気分早取り

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 子どもたちを最後にスキーに連れて行ってあげたのはもう2シーズン前のこと、そこはトリノの西の郊外で車で1時間もかからないフランス国境寸前のところにあります。

ふっと懐かしくなってドライブを思い立ち、家族で再訪したものの流石に雪は未だ見られません。いずれにしろシーズンに入っても、このスキー場も年々温暖化で雪が減少していると聞きます。

それでも、トリノの人たちなのか、この小さな田舎町を散策する人もそこそこ見られまして、逆にシーズンではないからこその、ゆったりした雰囲気は、気分転換にはちょうど良かったかもしれません。

昨年約束したスキーは実現しませんでした。今年こそは子どもたちをスキーに連れて行ってあげたいな、と思いにふけながらの帰り道の高速で、谷の両側にある山々の頂のあちこちに相当な数で古いお城の跡を見つけることができました。車の中で「あすこにも」「左にも」と何故か皆大はしゃぎです。

何と、シーズン中は雪で隠れていて良く見えなかったのですね。なんでも前向きに考えれば、すべてに新しい発見や幸せな気分になれるのかもしれません。子どもに与えるべきは、お金では得られないそうした前向きな気持ちを授けるべきが先ず大事なのだと言い聞かせて、既に暖房の入った我が家に急ぎます。

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2009年10月11日 (日)

冬の始まり

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 つい先日まで日中が20数度に上がる日もあって今年は寒くなるのが遅いね、なんて家族と話していたのに。

ある日来ました、どかんと。なんと朝の気温は3度です。一気に北からの寒気前線が降りてきてしまいました。

もう突然の「冬」に、あわてて追加のセーターを箪笥から取り出すわ、防寒コート探すわで、てんやわんやです。

朝の空気は凛と澄み切って、朝焼けの色がその寒さを示してくれます。家内や子供たちはそうでもないようですが、個人的にはこれからが一番好きな季節です。暮れはそう遠くないですね。

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2009年10月 3日 (土)

トリノと南イタリア

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 トリノが戦後の復興時期に、自動車産業を背景に多くの南のイタリア人を労働力として受け入れたのは皆さんもご存じかと思いますが、実際今でも市内のあちこちでは、当時移り住んだと思われる生粋のトリノ人ではない人々の生活圏を多く垣間見ることができます。

当時南からトリノに来た人々は、家の中にバスやトイレがあることも珍しかった方々もいたらしく、生活環境の違いやら言葉やら気質やら習慣やらで、現地の人との間でもトラブルが多く、差別的な扱いも多くあったと聞いています。

そんなやや暗い話もあるトリノの街にも、イタリア全国どこにでもあるようにピザ屋さんが多くあります。たまたま次男の中学校の送り迎えの通り道に並ぶ数多くのレストランのなかで、気まぐれに入ったピッツェリアがここでした。

派手なネオンの店構えに、シックさをよしとするイタリア人の一般的美的感覚との違いに先ず「う~ん・・・」、それでも負けじと店内に入ると、これまた一般的な魚介料理の店が材料を陳列する方法とはかなりセンスが違う、まるで宝飾品の店舗のショーケースのように飾り付けにまた「う~ん」・・・。

ここまできたらまな板の鯉と覚悟し、ピザと並ぶここの名物料理のムール貝のソテーから食事を始めますと・・・「なんじゃこりゃ!うまいわい!!!」と気持ちは豹変。

前菜のつまみ代わりに頼んだ大好物のフォカッチャビアンカ(ピザ生地に塩とローズマリーなどハーブだけでいただく)は写真も撮るのを忘れるほど良い香りで即完食。

いよいよメインディッシュのピザときたら、私がはるか昔にナポリの店で食べた、イタリア一美味しいと言われたオリジナルナポリピザそのものです!ぬわんじゃこりゃ!と思わず声が出てしまいました。

イタリア、とくに北イタリアで今日のようにピザ屋がそれこそどこにでもあるようになったのは実は戦後も随分経ってからと聞きます。そんなあちこちのピザ屋も随分出向きましたが、ここまで本場の味と質を提供するところは先ず記憶にありません。

差別された暗い時期があったにせよ、それでもそのトリノの街で本物のナポリピザが味わえられる。きっと美味しいものには差別はないのでしょうね。

それはこの晩も、南の訛りを微塵も感じられない生粋のトリノっ子たちで店内が満杯であることからもわかります。

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2009年9月29日 (火)

ソフィアローレン

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 私たちと製品づくりを共にしている工房では、手作業による少量で多品種の生産が毎日繰り返されています。

イタリア人の一般的印象は「明るい、陽気」ということでしょうが、北と南など地域によっても随分印象が違って、実際まちちです。

私たちはほとんど国境に近い北イタリアで活動していますが、ここの人たちは概ねシャイと言うのか、最初から底抜けに明るい応答をしてくるわけではありませんで、むしろ用心深く、冷めた印象さへ受けてしまいます。

この工房の皆さんも最初はそうでしたが、毎日のように顔を合わせるようになり、少しづつ言葉を重ねるようになると、笑顔も自然と交せるようにようになってきます。

先日訪ねた際に、久しぶりに皆さんの写真を撮っていると、作業中の女性の皆さんは一様に「ダイエットしてないから今度にして」だの、「可能な限り綺麗に取ってよ」と小言を言いつつも好きなようにさせてくれます。最初のころは一枚一枚お断りを入れ、それでも断られることもあったのを考えると、月日の経つのを感じます。

こちらも慣れてきたので冗談も出るようになり、「ダイエットなんて無用だよ。そのままがとっても綺麗だ。まるでソフィア・ローレンみたい」とまで言ったところで、皆さんの顔がキョトンとしています。そうか、流石にもうソフィア・ローレンは古すぎです。今ならどういえば良いのでしょう。モニカ・ベルッチはセクシーシンボル過ぎて言い過ぎになったら怖いし・・・・と考えている間に、「それは光栄だわ」と誰かが言いだして、皆で大笑いになっていました。褒めるときはちゃんと下調べしとかねば。

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2009年9月19日 (土)

ポルチーニ茸が食べたくて

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 日本からの来客のあった週末、イタリア人の友人も誘って外食となりました。

本日のお目当ては季節ものであるポルチーニ茸を食したいというものでして、友人の勧めで、コスパの高いと言われた店に大勢で出向きます。

先ずは前菜のポルチー二のサラダ。これは正に新鮮なポルチー二キノコをスライスして、オリーブオイルとレモン汁をさっとかけ、軽く塩・胡椒で戴きます。「う、う、うまい・・・」

パスタは勿論ポルチーニで生パスタのタリアテッレでいただきます。「これも、う、うまい・・」

メインとなって、ここでもポルチーニ茸のソテーかフライト思いましたが、3皿続いては有難味も下がるので、地元の郷土料理のボリートという肉の煮込み料理をいただきます。タンやらももやら豚の頭やらソーセージやらがこれでもかと皿に盛られて、これをニンニクやパセリをペーストにしたソースや辛子などで戴きます。見ただけですんごいカロリーであることは理解できます。アーメン。ちなみに、ワインも地元のバルベーラをチョイスしました。

不思議とスルスルおなかに消えていったものの、やはり満腹感は避けられず、しかしやはり仕上げはデザート!ということですが、流石にタルト類は避けて、ベリーなどの森のフルーツにマルサーラリキュールをかけたものをオーダーしたら、「わ、しまった!」と気づけば写真も撮らずに半分食べてしまいました。

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2009年9月15日 (火)

新学期

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 長い長い3カ月の夏休みが終え、街路樹も色が付き始めたころ、次男の新学期が始まりました。日本でいうところの中学一年生です。

次男の中学校はトリノの市内にありながらも木々の多い穏やかな地区にあるようです。通学は朝昼車で送り迎えをすることになっています。イタリアではかなりの年齢まで通学には付き添いが義務付けられていますが、過保護に見えて、これは保安上重要です。日本の小学生くらいの子どもたちの家の外での事故のニュースを聞くたびに、過保護と必要な保護は違うように私たちも考えています。

この学校では初めて私が迎えに行く日、「午後1時40分に校門から出てくるので、午後1時20分には校門前の通りに車を停めよ」と家内が言います。何もわざわざ20分も前に出向かなくてもと思いましたが、その理由は交通渋滞でした。トリノは南イタリアに比べると交通規則は比較的順守されるほうなので、2重駐車などはまずめったにお目にかかれませんが、この迎えの時間帯だけは特別で、20分前にも関わらずあっという間に通りはすべて2重になってしまいました。校門で子どもを受ける以上否応なしにそうせざるを得ないのです。

時間になれば、その車から、父母や、祖父母や、大きな兄か姉か、親戚か、お手伝いかと思しき人たちが門の前で子供たちを迎えます。「ハニー」「宝物」・・と日本人にはやや恥ずかしい言葉を小走りに駆けよる子供たちに浴びせつつ、キスしつつ、・・・この毎日の賑やかな光景はものの10分と経たずに終わり、その後の道路は無論平常の穏やかさに戻ります。

既に勝手にバス通学をする長男です。次男もやがては一人で学校を行き来することになるのでしょう。それは成長という喜ばしい半面、子どもを送り迎えする日課の寂しい終焉とも言えます。時間は止まってくれないのですね。

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2009年9月 7日 (月)

パン屋の誘惑

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 山の上に住む私たちの区域の町と呼べる場所は、山を下ったところにあります。歴史のある町で、古い建物や教会などでこじんまりとまとまった小さい町です。

距離的に近い割に意外と出向くことがなく、本日も役場での手続きのために久しぶりに訪ねたのですが、この町に降りるとどうしても寄ってしまうパン屋があります。

パン屋と言っても、私たちが毎回購入するのは写真のマフィンなど菓子パンや、チーズやトマトが乗ったピザパン風のフォカッチャなどがお目当て。どうしても買わなければならないわけでもないのに、何故か必ず吸い込まれてしまいます。

天気も良く、肌寒いくらいの秋の入り口の気温のなかで、自宅に辿りつくのを待つのも惜しく、一切れつまみ食いをしながらの家族の散歩が何やら気持ちを弾ませてくれました。

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